9種の文具系色鉛筆について、それぞれ赤青黄の3本を使って、描き心地や色を比べました。
この記事で扱う色鉛筆は「主に文具コーナーで見かけるような色鉛筆」「1本ずつ入手できる色鉛筆」です。
それぞれの色鉛筆について良い点と悪い点を正直にレビューします。
3本バラ買いしたものが多いため、描き心地のレビューが中心です。
セット色についてや詳細な個別レビューは、少しずつ追記できればと思っています。
画材系色鉛筆との違いは?
このブログでは「画材系」「文具系」とざっくり分けて紹介しています。
文具系の色鉛筆は、画材系の色鉛筆と比べて
- 値段が安く入手しやすい
- 色数は少なめ
- 発色、混色、重ね塗りの性能はやや劣る
- 芯は硬めのものが多い傾向
といった違いがあります。
「試しに色鉛筆でイラストを描いてみたい」「大人の塗り絵を始めてみたい」という方におすすめです。
本格的に絵や塗り絵に使いたい方、はじめからいいものを使ってみたい方には、画材系色鉛筆の比較記事もあります。

トンボ鉛筆 色鉛筆1500

トンボ色鉛筆1500のおすすめポイント
- いい意味で「普通」の色鉛筆
- 塗り心地がいい
- 色合いはややマットな感じ
- 定番の色鉛筆で、取り扱っているお店が多い
- 最大36色
トンボ色鉛筆1500の惜しいポイント
- テカって重ねられなくなるのが早め
トンボ色鉛筆1500の詳細
トンボ色鉛筆1500は、学用品の定番。ロングセラーの色鉛筆です。
缶入色鉛筆NQや紙箱入色鉛筆NAの中身がこのトンボ色鉛筆1500です。
黄色の缶の色鉛筆を、子どもの頃に使っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
トンボ1500は、いい意味でとても普通です。
色鉛筆らしい硬さ、色鉛筆らしい発色で、さらさらと気持ちよく塗ることができます。
36色まであり、一通りの色を揃えることができます。
三菱鉛筆 色鉛筆880

三菱色鉛筆880のおすすめポイント
- いい意味で「普通」の色鉛筆
- 塗り心地は滑らか
- 色合いは明るく鮮やか
- 定番の色鉛筆で、取り扱っているお店が多い
- 最大36色
三菱色鉛筆880の惜しいポイント
- テカって重ねられなくなるのが早め
- テカリ感強め
三菱色鉛筆880の詳細
トンボ色鉛筆1500と同じく、学用品として定番のロングセラー色鉛筆。
こちらも定番なだけあって、いい意味でとても普通な色鉛筆です。
塗り心地は滑らか。色鉛筆らしい描き心地です。
色数は最大36色。
鮮やかな色味なので、はっきりした色合いが好きな方におすすめです。
三菱鉛筆 ポリカラー

三菱ポリカラーのおすすめポイント
- 塗り心地は滑らか
- 濃く塗れる
- 色合いは鮮やか
- 硬めの色鉛筆の中では柔らかい
- 芯が太く広い面も塗りやすい
三菱ポリカラーの惜しいポイント
- 取り扱っているお店が少なめ
三菱ポリカラーの詳細
三菱鉛筆のポリカラーは、とても発色がいいです。
色合いは三菱880によく似ていますが、それよりも濃く塗れます。
専門家から学生まで通用するスタンダード品です。
三菱鉛筆株式会社(サイト内、商品カタログより)
880 よりも若干芯径が太いので、紙面を塗る作業に向いています。
とのことで、専門家の方も使える色鉛筆だそうです。
程よい硬さ、色の濃さ、重ね塗りなど、扱いやすい色鉛筆だと感じました。
色数は三菱880と同じく36色。
色のラインナップもよく似ていますが、ポリカラーの方は金銀が生産終了になっており、代わりに「くちばいろ」「べにかばいろ」という色が入っているようです。

三菱鉛筆株式会社(ポリカラーは総合カタログの中に記載があります)
無印良品 色鉛筆

無印良品色鉛筆のおすすめポイント
- 価格が安い
- 握り心地がいい木軸
- 滑らかに塗れる
- 最大60色
- 明るくかわいい色が多い
- 無印で買える
無印良品色鉛筆の惜しいポイント
- テカって重ねられなくなるのが早め
- 色の判別に困る
無印良品色鉛筆の詳細
無印良品の色鉛筆は、安くて色数も多い色鉛筆です。
2021年11月現在、12色セット390円、36色セット1190円、60色セット2090円で販売されています。(リンクは無印公式)
店舗ではバラ売りを見かけたことはないのですが、公式サイト内に単色のバラ売りがありました。
するすると滑らかに塗れます。人によっては滑るように感じるかもしれません。
木軸が手に馴染み、個人的にはかなり描きやすかったです。
残念なのが、色を見分けるのが難しいこと。

色番号は記載されていますが、色名の記載はなく、見分けるには芯の色を見るしかありません。
芯をよく見る、描く前に試し塗りする、ラベルシールを貼る、綺麗に並べるなどの方法で対応できますが、少し手間かも。
色の判別さえ気にならなければ、色数豊富、値段安め、描き心地も好きだったのでおすすめです。
ステッドラー エルゴソフト色鉛筆

エルゴソフトのおすすめポイント
- 三角軸、滑らない塗装が使いやすい
- きめ細かく塗れる
- 芯が硬めで細部までコントロールしやすい
- 混色も綺麗
エルゴソフトの惜しいポイント
- 厚塗りできない
- 鉛筆削りでは削りにくい
- 最大24色でやや少なめ
- 今回紹介する色鉛筆の中では高価
エルゴソフトの詳細
エルゴソフトは水彩色鉛筆と油性色鉛筆(普通の色鉛筆)がありますが、今回使ったのは油性色鉛筆です。
やや硬い芯できめ細かく描くことができ、精密に描き込むタイプの方も使いやすいと思います。
軸にはマットで滑りにくい塗装がされています。
三角軸は握りやすいですが、鉛筆削りで削るときは少し削りにくいです。
綺麗に塗れて使いやすい色鉛筆ですが、色が24色までなのが惜しいところです。

三菱鉛筆 ポンキーペンシル

ポンキーペンシルのおすすめポイント
- ものすごく柔らかい
- 発色が良い
- 混色がとても綺麗
- 広い面が塗りやすい
ポンキーペンシルの惜しいポイント
- 軸が短く持ちにくい
- 消しゴムはあまり効かない
- 細かく描くのは苦手
- 最大13色と少なめ
ポンキーペンシルの詳細
ポンキーペンシルは三菱鉛筆の工作用色鉛筆です。
プラスチック・金属・ガラス・木・石など様々な素材にくっきり描けるので、工作に最適です。
ポンキーペンシル|事務用品・学用品鉛筆・色鉛筆|三菱鉛筆株式会社
塗った後、紙から離すときに音が鳴るぐらい、柔らかくてこってりしています。
クレヨンかと思うような塗り心地です。もはや別の画材かも、と感じるほどの柔らかさ。
しっかり塗り込むと、色が綺麗に混ざります。
消しゴムで消えにくいです。塗り比べでは、消すときにカスを巻き込んでしまい、余計に汚してしまいました…
色は最大で13色。12色セットに加えて、単色で白があるようです。
サクラクレパス クーピーペンシル

クーピーペンシルのおすすめポイント
- 色が鮮やか
- 広い面が塗りやすい
- 取り扱っているお店が多い
- 最大60色(限定セットではそれ以上の色数があることも)
クーピーペンシルの惜しいポイント
- 重ね塗りしようとすると削れてしまう
- 描き心地がツルツル
- 軸が短く、持ち手が滑り、持ちにくい
クーピーペンシルの詳細
クーピーペンシルは、ポンキーペンシルと似た、クレヨンのような色鉛筆です。
描き心地が独特で、かなり好みの分かれる色鉛筆だと思います。
小学生の頃に12色セットを使ってた覚えがあります。実はその頃からツルツル感がちょっと苦手です。

塗り心地はかなり柔らかめですが、ポンキーペンシルよりは色鉛筆っぽさも感じられる塗り心地です。
しっかり重ね塗りをしようとすると、下に塗った色が削れていきます。
色が多めのセットを買って、単色塗り〜軽く重ねる感じで塗ると使いやすいかもしれません。
60色以上の特別なセットが販売されることがあり、2021年10月には100色のクーピーペンシルが数量限定で発売されました。
このセットに含まれる限定40色は、単品での買い足しはできないようです。
一体どんな色で描けるのかな。夢の100色クーピー、気になります。

サクラクレパス クーピー色鉛筆

クーピー色鉛筆のおすすめポイント
- クーピーペンシルより握りやすい
- 色が鮮やか
- クーピーペンシルに似た特徴を持つ
クーピー色鉛筆の惜しいポイント
- 重ね塗りしようとすると削れてしまう
- 描き心地がツルツル
- 最大24色でやや少なめ
クーピー色鉛筆の詳細
サクラクレパスのクーピー色鉛筆は、クーピーペンシルがそのまま色鉛筆の形になったような色鉛筆です。
発色や塗った跡の様子は、クーピーペンシルにそっくりです。
色鉛筆の形をしている分、クーピー色鉛筆の方が色鉛筆らしい描き心地です。
クーピーペンシルより軸が長く、握ってツルツルすることもないため、個人的にはこちらの方が使いやすいです。
パイロット フリクションカラードペンシル

フリクションカラードペンシルのおすすめポイント
- 綺麗に消すことができる
- 消しカスが出ない
フリクションカラードペンシルの惜しいポイント
- 発色、混色、重ね塗りなど色鉛筆としての機能は控えめ
- 最大24色とやや少なめ
フリクションカラードペンシルの詳細
消せることに特化した色鉛筆です。
消せるボールペンが有名なフリクションですが、色ペン、蛍光ペン、スタンプなど様々な商品があります。
今回はそのフリクションの色鉛筆で描いてみました。
専用のラバーで擦ると、かなり綺麗に消すことができました。
色が淡く、重ね塗りも得意ではないため、しっかり絵を描く用途には違う色鉛筆を持っておいた方がいいかも。
間違えても消せるので、下絵やノートに使ったり、単色塗りメインで塗り絵を楽しんだりできそうです。
消したい作業全般に使えるので、何本か持っておくと活躍の機会があるかもしれません。

画材系で紹介した、トンボの色辞典もアリかも

色辞典のおすすめポイント
- 色鉛筆本体とケースの見た目がいい
- 意外と混色もできる
- 細部の書き込みや線描がやりやすい
- 文具系色鉛筆に近い価格
- 最大100色(一部色はバラで買う必要あり)
色辞典の惜しいポイント
- 色はトーン違いがメインで、色を満遍なく集めることができない
- 新色10色はケースがない
色辞典の詳細
トンボの色辞典は、ケースも含めてコレクションしたくなる、とても見た目のいい色鉛筆です。使い心地もいいです。
色辞典特集ページの中にある、色鉛筆の使い方のページが充実しています。描き方など、参考になる情報が多いです。
ここまでに紹介した色鉛筆は24〜36色で2000円前後の価格帯のものが多く、画材系比較のときに使った色辞典も近い予算感で買えると思ったのでご紹介します。
公式サイトでセット色をチェックしましたが、トーン違いの色が多いため、色が豊富な感じはしないかもしれません。
その代わり他の色鉛筆にあまりないような、独特な色味・トーンの色が多く含まれます。
描き比べで使用しているのは、第一集に含まれるビビッドトーンの3本です。
どのセットも素敵な色が多くて悩んでしまいますが、ペール、ビビッド、ディープの3種のトーンの第一集は使いやすい色が多そうです。
9種の色鉛筆を振り返り
塗り比べた9種+1種の色鉛筆について、一言ずつ振り返ります。(リンクはAmazonです)
- 定番でロングセラーのトンボ色鉛筆1500
- 同じく定番ロングセラーの三菱880
- 扱いやすく濃く塗れる三菱鉛筆ポリカラー
- 色数多め、お値段安め、描き心地も好きな無印良品色鉛筆
- きめ細かく塗れ、細部の描き込みもしやすいエルゴソフト
- 発色、混色に優れたクレヨンのようなポンキーペンシル
- 色数が多く、広い面も塗りやすいクーピーペンシル
- クーピーよりも握りやすいクーピー色鉛筆
- 綺麗に消せて消しカスも出ないフリクションカラードペンシル
- 画材系で紹介した、独特の色が多い色辞典
色鉛筆選びの参考になれば幸いです。
本格的な色鉛筆も気になる!という方には、画材系色鉛筆の比較記事もおすすめです。
